人と動物の共通感染症
近頃は気温も少しずつ上がり春らしくなってきましたが、
新型コロナウイルスによる影響で大変な状況にいる方も多くおられると思います。
この状況が一日でも解消され、平穏な日々を取り戻せるよう願っております。
さて、今回は人獣共通感染症(ズーノーシス)のお話をしたいと思います。
人獣共通感染症(ズーノーシス)とは、人とそれ以外の動物の両方に感染または寄生する病原体により生じる感染症です。
以下の感染症はおもに人とワンちゃんにみられます。
1.エキノコックス
北海道にお住まいの方は耳にしたことがある病名かと思います。
キタキツネなどの便に含まれる病原体が野ネズミを介してワンちゃんに感染します。
動物の多くは無症状ですが、人が感染すると数年経ってから重い肝機能障害を起こします。
2.日本紅斑熱
マダニなどが媒介するリケッチアという細菌の一種が原因で感染します。
ワンちゃんでは無症状ですが、人に感染すると頭痛や発熱、発疹などの症状がみられます。
3.レプトスピラ症
レプトスピラという細菌が原因で、菌に汚染された水を飲んだり泥に触れるなど、
体の粘膜や皮膚、傷口から菌が入り込むことで感染します。
おもに川遊びや農作業中に汚染した水から感染することが多いそうです。
ワンちゃんでは腎炎や肝炎などを引き起こし、人では黄疸や腎障害など様々な症状がみられます。
これらの感染症はごく一部です。
感染症予防としては口移しでご飯をあげない、予防接種や予防薬の投与、
喧嘩などによる感染、生活環境を清潔に保つなど
人が気を付けることで予防できる感染症もあります。
人や動物が感染しないためにも日頃のケアを行いましょう。